ベトナムも中国のしきたりに倣っているお国。だから、中華系の人たちのパワーも大きい。中華料理もしかり!
シンチャオ、ベトナムナビです。今日はチャイナタウンのチョロンの街にやってきました。バスターミナルを降りてビンタイ市場へ行き、その人波とパワーに圧倒されて、お腹もグーグー。さあ、食いにいくぞ~!チャイナタウンなら中華料理でしょ、とおいしいと評判のチキンライスのお店目指してまっしぐら!
2店舗あります
途中道に迷ってちょっと遠回り。腹も減ってフラフラ寸前、やっとお店にたどりつけましたあ~。グエンチャイ通りとチャウバンリエム通りの角の所にもう50年以上の老舗の1号店。横を回って後ろには4年前にできた2号店が構えています。
冒頭から蒸し器の湯気と香り
ナビたちが入ったのは2号店の方で、3階まであります。昼ごはん時も終わりに近い時間帯なのに1、2階とも人がいっぱい。メニューはベトナム語、英語、中国語が書かれていました。入口でもうもうと蒸されていた漢方入りのスープや牛筋や豚の脳や腸などは、さっき見たときももう数個しか残ってなく、席についてオーダーしたときは「もうありません」とのこと。残念~。昼も夜もその時間帯の分がなくなったら次回ってことらしい。ってことは遅めより早めに行かないと食べたい物にありつけないかも。
東源鶏飯 Dong Nguyen Chicken with Rice 3万8千ドン
看板料理、ご飯の上にチキンがドカッ、傍らにきゅうりが添えてあるだけの超シンプル料理。チキンそのものにはもう味がついてるけど、ちょっと甘酸っぱいソースにつけて食べると、また違うおいしさ。これだけで幸せになれる一品です。
各菇蒸鶏荷葉飯 Chicken with Ginger and Mushroom 5万5千ドン
大きなハスの葉にビックリ、中を開けると五目御飯のようにたっぷりの具、しいたけ、チキン、コーン、チンゲンサイ、その下はホクホクご飯で、かき混ぜて食べるとおいしい!これだけ一人で食べてる人もいました。いいなあ。
百合花湯 Artichoke Soup 3万5千ドン
これ、なあに?最初運ばれてきたときナビも大きく首をかしげました。黒い大きな葉っぱと骨付きの豚肉がゴロゴロ。葉っぱと肉をよけて、スープを一口すすってみたら・・・う、うまい!開眼しちゃったナビ。今度来たらまた注文したいスープになりました~
空心菜 Water Morning Glory 2万5千ドン中華では野菜炒めの定番。簡単なようで、手際よくザッザッと作らないとおいしく仕上がらないこの料理。中華鍋を強火にして油を入れて、ニンニクと塩、野菜をジャジャッと炒めるのに1分弱。にんにくと野菜に絡められてる調味料がなんとも言えない。[
おしぼりは別途2000ドンですよ~。
オーナー登場
ナビたちが食事を終る頃、奥の方でおじさんが一人座り、何やら一枚ずつ会計をしています。ちょっとたずねてみたら、やっぱりこちらのオーナーさんでした。ナビが中国語でいろいろ聞き始めたら、ちょっと待って奥さんの方が話せるからと呼んで登場してくださったのが許呉愛梅さん。昔の中華系の人は自分の名字の前にご主人側の名字をつけたので、許はご主人の姓、呉愛梅さんが結婚前の名前です。ご主人の許さんは多くの華人の出身地である潮州の人。呉さんは中国の南にある海南島の出身。そもそもここのレストランは呉さんのお母さんが屋台で海南鶏飯を売り始めたのがきっかけ。シンガポールでもチキンライスは有名ですが、このチキンライスの漢字名は海南鶏飯。そうなんです。チキンライスの発祥地は海南島なんですね。呉さんのお母さんも郷土料理をまず売り始め、商売がよくなったところで屋台をいつも置いてあった場所の後ろを買い取ってお店にしたそう。それが今の1号店があるところなんです。
お母様との思い出
呉さんはナビが食事を終ったテーブルまで来てくれて、お母さんが屋台を始めたときのことからしみじみと話してくれました。それから60年なので、呉さんもそのくらいのお歳になるわけですが、ご覧のとおりお若くてキレイ。中から幸せがにじみでてくるようなステキな笑顔を見せてくれます。呉さんは幼いころからお店でお母様の仕事のお手伝いをしていたのですが、その当時のお客様が今でもなじみの客として来るそうで、自分はもう忘れていたのに、この前お客さんの方から名前を呼ばれたので驚いたのよ、とおっしゃってました。というのはこのお店はいつも来る常連のお客さんの他、昔ホーチミンに住んでいて今は海外に出た人たち(中華系の人はこういう人が多いのです)が数年ぶりに帰国し、立ち寄ったりもするお店。数年ぶりだと人も変わるから、呉さんにはわからない、でもお客さんからすると呉さんはこのお店には必ずいる人。お客さんが前に来たお店に惹かれて戻ってくるのは、そのお店の味もあるだろうけど、きっとオーナーの人柄も関係ありますよね。こんなにきれいな人だから、もしかしたら呉さん目当てで戻ってきたのかも(^−^)。
仲睦まじいオーナーご夫妻。
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呉さんお店の前でニコッ、スタイルもいいんです。
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季節の料理
さっき食べた百合の花のスープ、不思議な形だけど美味だったので、呉さんに変わったスープですよねって聞いてみました。そしたらなんと百合は体の火照りを抑える漢方効果があるそうで、葉っぱも茎も全部食べられるとのこと。でも茎、結構固いんですけど・・・歯が丈夫な人なら大丈夫でしょうか。百合は季節もので、11月から5月くらいまでが収穫可能の野菜(花?)。いつでもメニューにはあるけど、6月以降は旬の時期に取って乾燥したのを料理に使うから、味は一段落ちるそう。今が生でも一番おいしい季節よ、と呉さん。
お店のピンチも
テーブルの上にあるソース類。
お店が拡大し、呉さんがここまでやってこられたのも家族皆が協力し合ってきたから。今は3人の息子さんたちも手伝ってくれてます。でもすべてが順調だったわけではなく、中でも大きな痛手が鳥インフルエンザだったそう。お店は昔からその当時まで鶏中心の料理ばっかり。それが、ちょうどそのとき2号店ができたばっかりだったのにお客さんが全く来なくなり、お店は大ピンチ。苦肉の策で考えられたのがマーボー豆腐や空心菜の炒め物とかのチキンを使わない一般中華のメニュー。幸いコックさんたちの腕もよく、いい味が出せたので、お客さんが戻ってきたとのこと。災い転じて福となす?今ではチキンじゃない料理がお目当てで来る人もいます。
1号店も入ってみました
1号店の店内。
さっき別のお店と勘違いし、通り過ぎた1号店へ。ここでも晩ごはん用のスープがすでに蒸し器に入っています。このお店の前で呉さんのお母さんが屋台を始め、そしてここを買い取り、お店にした、なんとなくジンときますね、お店の中には仏壇もあり、お母さんの写真が飾られています。亡くなったお母さんは今でも毎日ここからお客様の様子を眺めているんですね。そして、今でもお店を守っている・・・帰り際にこれは南部からの特別な味よ、と呉さんはバナナをくれました。バナナ大好きなナビ、さっそくいただきました~、ほんとにこのバナナ、格別おいしかったです~!以上、チャイナタウンにある「東源鶏飯」からベトナムナビでした。