クチトンネル

Cu Chi tunnelsDia dao Cu Chi

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ベトナム戦争時、アメリカ軍とゲリラ戦を繰り広げた激戦区。現在でもその傷痕を追うことができる。ライフルの試射も楽しみどころ


こんにちは、ベトナムナビです。クチはホーチミン市の北部に位置するエリアで、1960年代初頭に開始した第2次インドシナ戦争ことベトナム戦争で激戦区となった場所の一つです。中でも有名なのは、全長250kmにわたる地下道。ベトコンが掘った穴で、最新兵器を携えた米軍の攻撃から身を潜め、さらに奇襲をかけるゲリラ戦争が展開された場所です。

ベトナム戦争とは


1946年から1954年にかけて、フランスとベトナム民主共和国との間で起こった戦争は、のちに「インドシナ戦争」と呼ばれました。ここでベトナムはフランスに勝利を収めましたが、その結果、南北は分裂。そして、1960年、南北統一をかけた激しい戦いがはじまります。その戦いはインドシナ戦争の継続とも言われていることから、「第2次インドシナ戦争」、「ベトナム戦争」などと呼ばれるようになりました。

ベトコンとは


ベトナムの戦争をテーマにした博物館に行けば、必ずといっていいほど出てくる言葉が「ベトコン」。こちらは南ベトナム解放民族戦線、つまり、南ベトナムの反対勢力として結成されたゲリラ部隊です。ベトコンという通称は南ベトナム、及びアメリカ軍が呼んでいた名前で、当時は蔑称でしたが、現在はベトナム人の間でも普通に使われている名称です。

クチまでの行き方


クチはホーチミン北部に位置していますが、あいにくベトナムには市内を網羅する鉄道機関がありませんので、観光客の交通手段はタクシー、バス、ツアーのいずれかとなります。しかし、ホーチミン市内からクチまではおよそ90分かかるため、タクシーだと往復料金が高くつきます。また、バスはベトナム語しか通じないため、ベトナム旅行初めての方にはおすすめできません。そこで、おすすめなのがツアーです。低料金で行けるほか、現地係員のガイドがつきますので、詳しい説明もしてくれます。また、周辺のタイニン省や、メコンデルタ地方も併せて行ける1日ツアーも催行していますので、ホーチミン観光をじっくりと楽しむことができます。
バスツアーがおすすめ

バスツアーがおすすめ

日本語ガイドもつきます

日本語ガイドもつきます

クチ県は田園風景が広がる田舎町。観光スポットはクチトンネルしかありませんが、道中は車窓から眺める素朴な町並みを鑑賞してください。
素朴な町並み

素朴な町並み

人はちゃんと住んでいます

人はちゃんと住んでいます

クチトンネルを楽しむ


クチトンネルの受付では、日本語訳されたパンフレットを受け取れるほか、ロードマップ、日本語ナレーション付のベトナム戦争及びクチトンネルの概要を説明したビデオ上映を楽しめます。まず最初はこちらでベトナム戦争を簡単に触れておきましょう。
ロードマップ。敷地内はかなり広いです

ロードマップ。敷地内はかなり広いです

お土産コーナーも入口付近にあります

お土産コーナーも入口付近にあります

入場ゲートを通過

入場ゲートを通過

最初はビデオ上映によるベトナム戦争とクチトンネルの概要を知りましょう

最初はビデオ上映によるベトナム戦争とクチトンネルの概要を知りましょう

日本語ナレーションつきです

日本語ナレーションつきです

その後、ツアーなら係員がクチトンネルの概要を詳しく説明してくれます

その後、ツアーなら係員がクチトンネルの概要を詳しく説明してくれます

米軍をあざむく通気口


敷地内を歩いていると、いたるところにある通気口。これには2つの意味があります。一つは空気の確保。そしてもう一つは、米軍を欺く手段です。通気口から煙をわざと出して、米軍にここにベトコンがいると思わせます。そして、米軍が周辺の穴ぐらを探しているうちに背後から……。また、通気口のトンネル内はキッチンとなり、喚起の役目もありました。

敷地内の歩き方


敷地内は基本は一本道ですが、舗装されていませんので足元に注意が必要です。また、周辺は雑木林なので、道を外れると迷ってしまうのでお気を付け下さい。クチトンネルに入りたい方は動きやすい服装(汚れてもいいもの)と運動靴がおすすめです。

敷地内の楽しみ方


敷地内にはトンネルの他、ブービートラップの数々や、ベトコンの戦時中の生活風景を模した模型が展示されています。また、地雷を踏んで廃車となった戦車や、爆弾が落とされた跡地なども。これらもツアーに参加すれば、係員が説明してくれます。
舗装されているのは一部のみ。ジャングルを探検している気分です♪

舗装されているのは一部のみ。ジャングルを探検している気分です♪

地雷を踏んだ戦車。戦車にのぼって記念撮影もできます

地雷を踏んだ戦車。戦車にのぼって記念撮影もできます

アナログ戦術を駆使したベトコン


最新兵器を持っている米軍に対して、ベトコンはまさにアナログといっていい時代錯誤の武器を使いました。米軍が落とした不発弾から火薬を抜き取り、自分たちが使いなれている武器に変換したり、ヘビの毒を鈍器の先端に塗るなどした戦術がメインでした。しかし、これが成功。弾切れに苦労しなかったことも勝因の一つと言われています。

トンネルの出入口を使ったゲリラ戦

一見するとなにもありませんが……

一見するとなにもありませんが……

こんなところに隠し穴が

こんなところに隠し穴が

このように米軍の背後に回って一撃……

このように米軍の背後に回って一撃……

クチトンネル内部も探検できますが、かがんで歩くのでかなりの体力が必要です

クチトンネル内部も探検できますが、かがんで歩くのでかなりの体力が必要です

ブービートラップ

実際は注意深く歩いても分かりません

実際は注意深く歩いても分かりません

毒付の槍が待ち構えています

毒付の槍が待ち構えています

虎バサミの一種

虎バサミの一種

足を入れると、なかなか抜け出すことができません。こちらにも毒が塗られています

足を入れると、なかなか抜け出すことができません。こちらにも毒が塗られています

鉄球。ドアを開けると向かってきます

鉄球。ドアを開けると向かってきます

最新兵器を持っている米軍も撤退を余儀なくされました

最新兵器を持っている米軍も撤退を余儀なくされました

多機能のクチトンネルと米軍の撤退


クチトンネルは、ただの隠れ蓑ではありません。トンネル内部は長期戦を考慮した作りとなっていて、寝室や台所、食糧庫、戦略室に映画館までもありました。そして、最終的に米軍はベトコンのトンネルを攻略できずに撤退することになりました。被害は多大なものでしたが、ベトコンの地の利を生かした戦術は世界で注目されることに。また、クチトンネルは、ある学者が、「世界中の技術者を集めても、クチトンネルを作ることは不可能」といわしめたほど多様性に富んだ地下道と評価されました。

いまも続く枯れ葉剤の被害


しかし、米軍が落とした枯れ葉剤の被害は多大なものでした。ダイオキシン類の一種で毒性が強く、また遺伝すると言われています。2世、3世にも染色体の影響があり、奇形児がたくさん生まれる悲劇は現在も続いています。クチでも枯れ葉剤は巻かれ、数百人の被害がでました。しかし、アメリカ政府が枯れ葉剤による直接の影響と認めたのは、その内の3分の1程度で、残りの被害者はほとんど援助がなく、現在も貧困に苦しんでいます。

ライフルの試射


出口付近では、実弾を込めたライフルの試射ができます(有料)。料金は試射する種類によって異なります。AK47やM16といったアサルトライフルからマシンガンまど揃っていますので、ミリオタにはたまらないのでは。また、発砲音がすさまじいため、試射する際は必ずイヤープロテクターを装着してください。
誰でも簡単に撃つことができます

誰でも簡単に撃つことができます

イヤープロテクターをしないと鼓膜が破れることも……

イヤープロテクターをしないと鼓膜が破れることも……



いかがでしたか。クチトンネルはいまやホーチミン旅行の鉄板ツアーです。クチトンネルに行く前に、博物館などでベトナム戦争について勉強しておくと、より楽しめるかと思います。
以上、ベトナムナビがお届けしました。
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記事登録日:2014-10-28

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スポット登録日:2014-10-28

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